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【きょうのギモン】食べ放題で食べきれずに罰金を求められたのですが、払わないとダメですか?

弁護士

保多崇志


【きょうの弁護士】保多 崇志(やすだ たかし)
早稲田大学法学部を卒業後、銀行員のキャリアを経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、借金問題などの案件を手掛ける。趣味は将棋。また、”坂道系アイドルグループ” の大ファンでもあり、総勢100名ほどの全員の顔と名前を熟知している。


「食べ放題のお金は払っているのに、罰金を取られるなんて納得いかない!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、 基本的に “食べ残しの罰金” は法的にも払うべきお金であるといえます。

特に「食べ残した場合は罰金○○円をいただきます」とルールが示されている場合、食べ放題の料金と比べて法外でない限りは、その金額を払う必要があるでしょう。


その判断の一つの根拠となるのが、民法に規定された以下の条文です。

「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」(民法 第709条)

仮に食べ切り可能な分だけを頼んでいれば、お店は食べ残した食材を廃棄せず、他のお客さんに提供できたといえるでしょう。また、食べ残しは、お店の人から見れば、自分たちが懸命に作った食べ物を粗末にされたことで精神的な平穏を脅かされて苦痛を感じさせられる行為でもあります。

つまり食べ残しは店側にとって、 食材の調達費用及び精神的平穏という「得られたはずの利益を侵害した」と見なすことができ、その損害賠償として “罰金” を支払う必要がある と考えられます。


なかには「こっそり持ち帰れば、罰金を払わなくて済むのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした行為も控えた方がいいでしょう。

お店の許可を得ずに料理を持ち帰ることは、お店の意思に反して「食材という財産」を外に持ち出す行為です。

お店側にバレた場合、 民事上の損害賠償責任を負うだけに止まらず、刑事上で窃盗罪の責任を問われる可能性すらある といえます。

お客さんとお店の「信頼関係」のもとに成り立っているのが、食べ放題です。ぜひ “ちょうどいい” 量を心がけ、気持ちよく食事を楽しんでいただければと思います。